「結婚式まであと5ヶ月なのに、心が揺れてしまって…」
千葉県在住の依頼者のMさんは会って早々にそう切り出しました。
依頼者は29歳、大学在校時から長年の交際を続けていたYさん(以下、対象者と記載する)と結婚を約束していました。
しかし、最近になって仕事の合間に通い始めたヨガ教室で知り合った講師のKさんに心を奪われるようになってしまい、結婚を迷うようになってしまったとのことです。
「Kさんとは趣味も合うし、話もよく合うんです。一緒にいると心が躍る感じがして…でも、Yのことも大好きなんです。ただ、このまま結婚して本当に幸せになれるのか不安で…」
依頼者の悩みは深刻でしたが、結婚前にはよくあることです。
依頼者は婚約者に対して罪悪感を抱きつつも、自分の気持ちを抑えきれずにいました。
「Yとは本当に長い付き合いで、お互いの家族も仲が良く、結婚式の準備も進んでいるんです。
でも、Kさんと一緒にいると、心が躍るんです。この気持ちを無視して結婚するのは、婚約者に対しても失礼だと思うんです。」
「どうすればいいか分からない。結婚を取りやめるのも怖いし、婚約者を傷つけたくない。でも、このまま進んでいいのか…」依頼者の表情には、混乱と葛藤が見て取れました。
どうにも決められない彼女は最終的に、弊社のWEBサイトを見て相談することにしたとのことです。
依頼者が弊社に相談に来られた段階で、依頼者はKさんに気持ちが移ってしまっているのが分かりました。
婚約者に対しての気遣いも見せますが、気持ちはすっかり冷めてしまっていたようです。
婚約者とは別れたいんだけど恨まれたくない。
つまり、いかにして婚約者と【きれいな形】で別れられるのかがポイントとなります。
依頼者もそんな自分の気持ちに罪悪感を抱いていることでしょう。
ただ、これはしょうがないことなのです。
依頼者の考えも理解できます、感情で生きる人間である以上仕方のない事です。
ありふれた言い方ですが【一度しかない自分の人生です】納得いく生き方をしたいと思うのは当然。
結婚をしてしまったら、そんな自由は通じません。
婚約はされているということですが、同棲はしておらず、しっかりした形で結納などをしたわけでもなく、口約束程度のお話だったそうなので今から別れても金銭的な問題なども発生はしなさそうです。
しかしながら、今現在の依頼者の状況が、【単なる気の迷い】ということもあり得ますので、最初の面談の際は依頼をお受けしませんでした。
依頼者には「今は結婚前で不安な気持ちなのでしょう、もう一度冷静に考えてみてはいかがですか?それでも変わらないようでしたらまた来てください。」と伝えました。
また、「今の結婚前の段階であれば直接婚約者に結婚できないとお話してしまうのが良いのでは?」という質問も面談の最中にしましたが、「自分の口からは言えない」とのことでした。
こういった気持ちも、もちろん理解できます。
面談から2日後、依頼者から再度ご連絡をいただき「気持ちは変わらない」とのことでしたので依頼をお受けすることになりました。
工作の目標となる依頼者の希望は下記の通りです。
①依頼者自身が悪者にならない。
②婚約者が傷つかない。
③婚約者から別れを切り出させたい。
④依頼者はヨガ教室のKさんと一緒になりたい。
④に関しては今現在は弊社には関与できないので、①~③に関してのシナリオの作成を行いました。
依頼者と婚約者は当然ながら関係が近く、予備情報も豊富にありました。
工作前の調査を行う前に大まかなシナリオの作成をしてご提案しました。
工作のステップは次の通りになります。
①婚約者に工作員が接触する。
②工作員が婚約者の心理誘導を行う。
③依頼者が婚約者との共有時間を減らす。
④婚約者を他の女性と出会いの場に誘導する。
⑤婚約者から別れを切り出させる。
今回、【依頼者を傷つけない】ということで、工作終了後のことを考えハニートラップは使いません。
同性で意気投合できる工作員を接触させて、依頼者以外の女性に好意を向けさせる工作が必要となります。
婚約者の職業や職種、趣味、行動、特技などは全て依頼者から情報を得ることができているため、スムーズに工作員の選定ができました。
接触した工作員は自然な流れで婚約者を依頼者を依頼者から引き離しをしていきます。
工作員が接触した辺りから依頼者の方も、極力婚約者と一緒にいる時間を減らしていきます。性行為も断るようにしていきます。
全てを同時に行うと浮気を疑われてしまうのでタイミングを計って徐々に減らしていく形です。
工作開始後、速やかに依頼者情報にある婚約者勤務先にて婚約者を確認し、工作員が接触を行いました。
具体的な手法は記載できませんが自然な形で接触を行いました。
今回の工作員は婚約者と年齢も近く、職種も趣味も近いので良い人間関係を築くのには時間がかかりませんでした。
すぐに依頼者にも紹介され、共通の知り合いとしてのポジションを構築していきました。
工作員は結婚願望はあるものの彼女なしで日々、婚約者と依頼者の関係を羨ましがり、自分にも早く彼女を作りたいという意思を婚約者に伝えるようにしています。
この段階を経て、依頼者に婚約者との距離を作る行動を取るように依頼しました。
前述の共有時間を減らしたり、性的な関係を拒否すると言う形でそれを行いました。
この期間がしばらく続き、ある時婚約者が工作員に「最近、彼女が冷たいんだよな」「避けられている気がする」などと話すようになってきたとのこと
工作員は「結婚前でブルーな気持ちなんじゃないの」など、当初は慰めました。
しばらくこの状態を継続して、工作員への婚約者からの相談が依頼者のことばかりになってきたので工作の次の段階へ進むことに。
工作員は結婚願望があるものの彼女すらいなくて寂しいという設定です。
工作員は彼女探しに婚活パーティーに行きたいと婚約者に伝えます。
一人だと気恥ずかしいから一緒に行ってくれと頼みこみ婚約者と一緒に参加することに
婚約者は最初、「依頼者がいるから俺はいいよ」と断っていたのですが、工作員の押しに負ける形で、一緒に婚活パーティーに行くことに
男女30名づつが参加でグレードが高いと評判のパーティーに参加することになったのですが、この時婚約者は依頼者に工作員の付き合いで行くと伝えての参加でした。
依頼者には無関心で対応をしてもらいました。
年頃の男性であれば女性が30人でしかもグレードが高いとなれば数人には興味が湧くものです。
工作員は楽しんでいるのを装いながらも、婚約者のことをフォローして良い感じに繋げられそうな女性をピックアップし何名かと連絡先を交換するまで誘導を行いました。
元々、高スペックの婚約者のこと、気に入られるのを分かっているが故のシナリオです。
婚約者の方もまんざらでもないようで、パーティー終了後にも連絡先を交換した女性とやり取りをしている様子。
工作員は依頼者には「最近、〇〇とはうまくいってないんでしょ?」「いろんな人と遊びなよ」と悪い囁きをします。
依頼者と婚約者はこの時期には一緒にいても会話もほとんどなく、ぎくしゃくしている状態になっているようでした。
それもあってか婚約者も気分転換がてら他の女性とデートすることに
工作が進むにあたって【依頼者の気持ちが変化してないか】も随時確認しながら進めました。
依頼者の気持ちが婚約者に戻る可能性もあったので、この確認は非常に重要なものと考えていました。
ただ、依頼者はこの間にもKさんとの関係を進めているようで、戻ることはないようにも思えました。
念のため、最後に依頼者に確認を取ると、「このまま進めてください」とのことなので、工作の最終工程に入りました。
工作員が婚約者から依頼者との関係の相談を受けた際、
「もう、依頼者は気持ちが離れちゃっているんじゃないのかな?」
「結婚しても不幸になるのは見えちゃっているよね」
など結婚に対して否定的な返答をして結婚の意思を喪失させようと動きます。
さらに、先日のパーティー以降頻繁に会っている女性を評価して、「彼女となら良い家庭が築けるんじゃない?」
と、婚約者の気持ちを誘導しました。
婚約者もその女性のことは非常に気に入っている様子で、工作員が知らないところでも会っている様子。
このままの流れでも時間をかければ婚約者が別れを切り出すと思えましたが、時間がかかるため工作員が背中を押します。ある一言をきっかけに婚約者は意を決したようで、別れを告げることに
別れを告げられた時の依頼者は少しショックを受けたようで、茫然としてしまったとのことでした。
その日、お互いはそれぞれの未来のことは話しませんでした。
ただ、お互い「元気でね」とお別れしたそうです。
依頼者から別れの日の顛末を伺い、工作が終了したことを確認しました。
工作員からの話では婚約者のここ最近の精神的な疲労は相当だったようです。
依頼者と別れた後は思ったよりも落ち込んでおらず、むしろ先日知り合った女性との関係を深めている様子。
今回特に気を付けていた【婚約者を傷つけない】という点はクリアできました。
依頼者も思った以上の成功に喜んでおられました。
時間はかかってしまったものの誰も傷つかずに終われたことは喜ばしいことでした。
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